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若手が辞める現場と定着する現場の違いとは?続けたくなる職場づくりのヒント

「また辞めたか…」 現場から若手が去るたびに、上司や所長たちはそんな声を漏らす。

建設業界では、若手の離職が深刻な課題となっています。 厚生労働省の調査によれば、建設業の新卒3年以内離職率は約40%。 しかも、2∼3ヶ月で辞める若手も珍しくありません。

でも本当に、「最近の若いやつは根性がない」だけなのでしょうか? それとも、現場の側に“続けにくい”理由があるのかもしれません。

30年以上現場に立ってきた私の体験から、 **辞めた現場と、続いた現場の「決定的な違い」**をお伝えします。

目次

辞めた現場に共通していた“見えない壁”

▶ 1. 指示だけのコミュニケーション

「これ、今日中に頼む」「その段取り、ちょっと直して」「ちょっと様子だけ見てきて」

——それで会話は終わり。忙しい現場ではよくある光景ですが、若手にとっては“話しかけるスキ”がない環境です。

「すみません、ちょっと教えてほしいんですけど…」 ——その一言が言えないまま、黙って現場を離れていく若手を何人も見てきました。

▶ 2. 仕事の“意味”が伝わらない

配管1本、アンカー1本にも理由があります。でも若手には、その背景や意味が伝わらないまま、ただ作業だけをこなす日々。

次第に、こう思い始めます。

「自分、何のためにここにいるんだろう」

“意味がわからない仕事”は、心が折れるのが早いと思います。

▶ 3. ベテランの無言の“空気圧”

怒鳴られなくても、睨まれなくても伝わってしまう。 「ミスったらヤバい」「怒られるかも…」

そんな空気が漂う現場では、若手はどんどん口を閉ざしていきます。

気づけば、誰にも相談できない孤立状態。 そして最後に残るのは、「辞めます」の一言だけでした。

続いた現場にあった、たった3つの工夫

▶ 1. 昼休みに雑談がある

「昨日のサッカー、観た?」「最近あのラーメン屋、行った?」

たわいのない会話が、若手にとっては「話しかけていいんだ」という安心材料になります。 休憩中の空気がやわらかい現場は、不思議と人が残ります。

▶ 2. できたことを言葉にして認める

「今日の墨出し、よかったな」「段取り、早くなってきたじゃん」「職人さんが褒めていたよ」

技術的には些細なことでも、上司が“見ている”と伝わるだけで自信に変わります。 若手は“できた”瞬間より、“認められた”瞬間に残ろうと決意するのです。

▶ 3. 「わからない」と言える空気がある

「そんなこともわかんねぇのか」は、若手のやる気を一瞬で奪ってしまいます。

実際、私自身も無意識に表情に出てしまい、「あれ?それ、この前説明したやつだよね?」という心の声が、顔に現れていたようです。

逆に——

「そこ、不安だったら一緒に確認しようか」

このひと言があるだけで、若手は「ここにいていいんだ」と感じることができます。

質問できる環境こそ、最大の離職対策です。

忘れられない、あの若手の言葉

数年前、ある若手が突然辞めていきました。 無断欠勤もなく、最後まで礼儀正しかった彼は、静かに現場を去っていきました。

「真面目で頑張り屋だったのに、なぜ…?」 そんなモヤモヤが残ったまま数週間が経ったある日、彼から一本の電話がかかってきました。

しばらく雑談を交わしたあと、彼はこんな言葉を残しました。

「本当はもっと聞きたかった。でも、迷惑かなと思ってやめました」

質問したいことがあっても、聞きにくい雰囲気。 確認したいことがあっても、「これくらい自分で判断しなきゃ」と自分を追い込んでいたそうです。

そして何より—— 「誰にも相談できないまま、だんだん現場に行くのが怖くなった」とも。

そのとき、強く思いました。

あのとき、誰かが「いつでも聞いていいんだよ」と言っていれば——

その言葉がひとつあれば、結果は違っていたのかもしれません。 そう気づいた瞬間、私は「現場を変えなければ」と心から思いました。


辞めない現場に共通していた“あたたかさ”

「教え方」が特別にうまい人がいたわけでも、 「休みが多い」ホワイトな職場だったわけでもありません。

違ったのは、“空気の温度”でした。

  • 無言が気まずくない現場
  • できないことも言いやすい現場
  • 「お前ならできる」と信じてもらえる現場

そうした雰囲気が、若手に「もう少し頑張ってみようかな」と思わせていたのです。

人が続くかどうかを分けるのは、マニュアルや制度よりも、“そこで働く空気感”なのかもしれません。

あなたの現場には、続けられる理由がありますか?

「最近の若い子は…」と言いたくなる前に、ほんの少し立ち止まって、自分の現場を振り返ってみてください。

この場所は、本当に若手にとって“安心して働ける場所”になっているだろうか? わからないことを「わからない」と言える空気があるか? 失敗してもフォローしてもらえる信頼感があるか?

もし、今日ひとつだけ変えられるとしたら、それは何でしょうか?

もしかしたら——

  • 朝の一言「よろしくな」かもしれません。
  • 休憩中に交わす何気ない雑談かもしれません。
  • 帰り際の「今日もありがとう」かもしれません。

そんな小さな積み重ねが、「ここならやっていけそうだ」と感じさせる空気をつくっていくのです。


まとめ|人が続く現場は、“仕組み”より“空気感”

人が育つ現場には、マニュアルよりも“人の温度”があります。

  • 小さな声かけ
  • 相手を見て気づくこと
  • 頼られる安心感

そうした日常のやりとりの積み重ねが、結果として「辞めない現場」につながっていくのです。

若手の離職に悩んだときは、まずは「空気を整えること」から始めてみてください。 それは、明日からでもできる“現場改革”かもしれません。

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