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若者が続かないのは根性じゃない?現場監督ができる職場の仕組み改善

「また辞めたのか」——
現場で、そんなつぶやきを漏らしたことはありませんか?

ここ数年、わずか2〜3ヶ月で若手が辞めてしまう現場が増えています。
そして、そのたびに耳にするのがこんな言葉です。

「最近の若いやつは根性がない」
「昔は怒鳴られても我慢したもんだ」

でも、本当にそうでしょうか?

「根性がない」のではなく——
「根性では続けられない構造」になっているのではないでしょうか?

この記事では、30年以上現場に立ってきた私の体験をもとに、 “誰が悪いのか”という話ではなく、 **「なぜ辞めるのか」「どうすれば辞めずに済むのか」**を一緒に考えていきます。


目次

建設業の離職率は、いまどうなっているのか

建設業界では、若手の離職が長年の課題となっています。

厚生労働省の調査によると、建設業における新卒3年以内の離職率は約40%(2023年時点)
これは全産業平均よりも高く、深刻な数字です。

さらに、最近では入社して1〜2ヶ月で辞める若手も珍しくありません。
私自身の経験でも、「1ヶ月持たなかった若手」の話は何度も聞いています。

なぜ、これほど早く辞めてしまうのか?

それは“根性がない”からではなく、
“続けたくても続けられない構造”があるからです。


「最近の若いやつは…」という声の奥にあるもの

若手が辞めるたび、現場でこんな声を耳にします。

「根性がないよな、今どきは」
「昔はもっと厳しかったのに」

確かに、昔は怒鳴られても、叱られても、耐えて残る人も多かったのかもしれません。
でも、その“昔”と今とでは、現場の構造がまったく違っています。

  • 作業は複雑化し、覚えることが圧倒的に多い
  • 慢性的な人手不足で、教える余裕がない
  • 中堅層も業務に追われ、「育てる時間」も「育てる人」も足りない

つまり、「根性があれば続けられる」ような設計には、もはやなっていないのです。

そしてもう一つ見逃せないのが、 「最近の若い子は…」という言葉の裏にある、**上の世代自身の“疲れ”や“限界”**です。

「本当は教えたいけど、自分にも余裕がない」
「若手が辞めたら、その分の負担がまた自分に返ってくる」

そういった本音が、つい「昔はこうだったのに…」という言葉にすり替わっていることもあるのです。

もしかしたら、あなた自身も、そう感じているひとりではありませんか?


若手が辞めるのは「根性がない」から?

もしあなたが、「最近の若いやつは根性がない」と感じたことがあるなら—— ほんの少しだけ立ち止まって考えてみてほしいのです。

本当に“根性”だけの問題でしょうか?

いまの建設現場では、若手が「続けられない」理由が、構造的に存在しています。

たとえば、こんな環境が当たり前になっていませんか?

  • 人手不足で、教育する人も時間も足りない
  • ミスをしたら責められるかもしれない、という緊張感
  • 「見て覚えろ」が残り、安心して質問できない文化
  • 経験が浅いうちから大きな責任を背負わされる

そうした中で、若手は次第にこう感じるようになります。

「このままじゃ、自分のせいで現場を止めてしまうかも…」
「誰にも聞けない。間違ったら怒られる。だったら、辞めよう」

この状況を「最近の若い子は気が弱い」と片づけてしまえば、何も変わりません。
でも実際には、“環境さえ整えば、ちゃんと続けられる若手”はたくさんいるのです。

つまり——

問題は「根性がないこと」ではなく、
**「支える仕組みが存在していないこと」**なのです。
“支える仕組みが足りていない”のです。


「続かない」のではなく「続けられない」構造

「辞めたくて辞めたわけじゃないんです」

これは、私が実際に現場を辞めた若手から直接聞いた言葉です。
その一言には、続けたかった気持ちと、続けられなかった苦しさが滲んでいました。

彼はこう続けました。

「最初はがむしゃらでした。でも、わからないことがあっても誰にも聞けないまま時間だけが過ぎていって…」
「少しずつ自信がなくなって、“自分は向いてないのかもしれない”って思うようになりました」

こうした声に触れるたびに、私の胸にもチクリと刺さるものがあります。
「続けられなかった」のは、果たして本人の責任だったのか?それとも現場の“つくり”のせいだったのか?

  • わからないことを「わからない」と言えない空気
  • できたことを誰にも見てもらえない寂しさ
  • 「いてもいなくても変わらない」と思わせてしまう無関心

こうした“無言の構造”が、若手の心をすり減らしていくのです。

制度や待遇の改善ももちろん必要です。
ですがそれ以上に、**「ここにいてもいい」と感じられる“人としての安心感”**がなければ、どんな職場も人は定着しません。

言葉に出さずとも、「大丈夫」「見てるよ」「一緒にやろう」という空気が流れている現場。
そんな職場にこそ、人は“もう少し頑張ってみよう”と思えるのではないでしょうか。「続かない」のではなく「続けられない」構造

まとめ|“人が育つ現場”の条件とは?

若手が続くかどうかは、「本人の根性」だけでは決まりません。
本当に問われるべきは、その現場が“続けられる仕組みと空気”を持っているかどうかです。

  • わからないことを安心して聞ける環境
  • 小さな成長を見逃さずに声をかける習慣
  • 厳しさの中にも「ここにいていい」と感じられる余白

これらの積み重ねが、「辞めない現場」をつくります。

制度や道具ではなく、“人の温度”が離職を防ぎ、育成を支えていくのです。

「人が続く現場をつくりたい」そう思ったときに、まず見直すべきは—— 目の前の誰かへの声かけかもしれません。

今日ひとつ、「ありがとう」と伝えるだけで、 その現場は、少しだけ“辞めにくい現場”に変わるかもしれません

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